失速しやすいアップルマラソンで失敗しないレースプランと考え方

こんにちは。

今回は、

失速しやすい弘前・白神アップルマラソンで失敗しないレースプランと考え方

というテーマです。

僕の地元では、弘前・白神アップルマラソンというマラソン大会が毎年10月1週に開催され、2019年までは青森県内での唯一のフルマラソンとして、地元ランナーの多くはアップルマラソンでいい結果を残すことを目的にしている人も多いと思います。

また、普段は積極的に走らない方もアップルマラソンにエントリーすることで走り始めたり、アップルマラソンをターゲットにトレーニングをしていたりして、県民の健康増進に一役買っているといえます。

なお、2020年からはAOMORIマラソンがフルマラソンになり、より県内のマラソン大会が盛り上がることを期待しています。

時期的には足慣らしのシーズン序盤

県内ランナーの中でも、積極的に県外遠征や冬の大会をメインに置いている人にとっては、アップルマラソンは10月の第1週と、秋冬シーズンの序盤の大会として足慣らしや冬の大会へ向けた準備の意味合いとなっています。

一方で、県外遠征に行かないランナーや、近場の大会を主に活動している県内ランナーにとっては、降雪地域という青森県の側面もあり、アップルマラソンが1年のランニングの集大成ということが多いのも事実です。

なので、アップルマラソンに参加する多くのランナーは、アップルマラソンに向けてトレーニングを重ねている人が多く、アップルマラソンで良い結果を出して1シーズンを締めくくりたいという県民ランナーが多く存在します。

とはいえ、アップルマラソンの開催時期は例年10月の第1週。

秋とはいうものの、しっかり晴れるとフルマラソンで良い記録を出すには暑い気温といえます。

こういった点も考慮してレース当日の計画を考えていく必要があります。

アップルマラソンで好タイムを出すには

アップルマラソンに限らず、マラソンの大会でいい記録を出すには気にするべきポイントが数点あります。

  • 気温または気候
  • 傾斜
  • ペース設定

これらのポイントがレースでタイムを意識したり、最後まで失速せずに力強く走りきるためには重要です。

これらについて以前かいた記事があるので参照します。

気温または天候

そのレースの気温や気候がどうなのかによって、マラソンのタイムは大きく変わります。

ざっくり言うと気温が低いと走りやすく、気温が高いとペースを上げにくくなります。

上のリンクにもありますが、気温とタイムには相関があるとデータが出ています。

アメリカの有名なランニングコーチであるジェフ・ギャロウェイ氏の著書である
『ギャロウェイのランニングブック』では、ゴール時の気温に対するレースペースの補正について記述があります。

ゴール時の予想気温レースペースを遅くする割合1.6km8分00秒を基準にすると1km5分00秒を基準にすると
12~15℃1%8分05秒5分03秒
15~18℃3%8分15秒5分10秒
18~21℃5%8分25秒5分16秒
21~24℃7%8分35秒5分22秒
24~27℃12%8分58秒5分36秒
27~30℃20%9分35秒6分00秒
30℃以上どんなにペースを落としても楽には走れない

こういった気温とタイムの補正値と、実際の当日の気温を照らし合わせて、レースペースの補正を行う必要があります。

過去の弘前・白神アップルマラソン開催日の最高気温と最低気温をまとめました。(tenki.jp)

日付日最高
気温(℃)
日最低
気温(℃)
日積算
降水量(mm)
日最大
風速(m/s)
日積算
日照時間(時)
2018年10月7日25.0 15.51.58.32.3
2017年10月1日23.78.5 0.03.88.3
2016年10月2日23.612.7 0.02.44.8
2015年10月4日16.7 7.50.04.6 4.3

表からわかることは、

日最高
気温(℃)
日最低
気温(℃)
MAX25.0 15.5
MIN16.77.5
RANGE8.38.0

最高気温は

普通に晴れると23℃程度

16.7℃だった2015年は雨が降ったり止んだりといった天気で、かなり走りやすかった記憶があります。

すこしサンプル数が少ないですが、

想定しておく気温は晴れか雨の2種類でいいと思います。

マラソンのゴールは、ほとんどのランナーにとってお昼過ぎになるので、想定しておく気温は最高気温になります。

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傾斜

傾斜もまた、運動負荷を左右する要素です。

同じペースでも上りなら負荷が高く、下りなら負荷が低くなります。

つまり、傾斜が上りか下りかによって、気温と同様にレースペースの補正をする必要があります。

例えば、3%の傾斜をキロ5分で5km走ったとしたらどのくらいの負荷になるでしょうか。

5:00/km(時速12km)⇒4:24/km(時速13.6km)
で、同じ25分で5.7km走るのとおよそ同等の負荷ということになります。

つまり4分24秒/km同等の負荷がかかっている傾斜を上るときにもかかわらず、5分/kmのペースを貫いてしまうと、相対的にレースペースが上がってしまうということになります。

マラソンの失速をふせぐためにコースの傾斜から適性レースペースを考える

このように、傾斜もまた気温と同様にレースペースを設定することにおいて、無視できない要素であるといえます。

自分の走力を考える

上記の気温や傾斜などの要素を、自分のレースペースに反映させてレースプランを考えるにあたって、そのほかに必要な要素があります。

それは、自分の基準となる走力です。

直近のレースタイムだったり、レースに頻繁に出ない人は練習でのタイムトライアルなどを定期的に入れて、自分の走力を把握しておくのがいいと思います。

そうすることで、常に最新の自分の走力を把握しつつ、次の目標と練習メニューを常にアップデートして最適化することが出来るからです。

アップルマラソンのレースコンディションから考える

では、実際にアップルマラソンの気温や傾斜などのレースコンディションに上記を当てはめて、直近の全力レースやランから算出されたVDOTや冬レースのベストなどからレースペースを考えてみると、当日のレースペースを想定することが出来ます。

アップルマラソンのコース

コースは毎年変わっていませんが、ハーフマラソンのコースが2018年大会(台風につき中止)にワンウェイになりました。

2019年の第17回大会でも同様で、フルマラソンの折り返し後に、左折して西目屋村役場前がハーフマラソンのゴールになりました。

よって、ハーフマラソンのコースは傾斜率0.4%最大標高差が約88mのほぼ終始上りコースとなります。

で、同じコースをフルマラソンの前半折り返しまで走ります。

標高差88m傾斜度0.4%の20.5km

標高差88m傾斜度0.4%の20.5kmの前半と聞くと、特に傾斜度0.4%なんて大したことがないように感じます。

しかし、このたった0.4%の傾斜を平面路と同じ感覚で走ってしまったばかりに、後半にペースをガタ落ちせざるを得なくなってしまうというパターンが続出します。

では、上記条件と平面路の比較をしてみましょう。

ペース傾斜0%傾斜0.4%実質距離差
14.2km/h
(4分13秒/km)
14.2km/h
(4分13秒/km)
14.5km
(4分8秒/km)
0.4km
12km/h
(5分/km)
12km/h
(5分/km)
12.2km/h
(4分55秒/km)
0.4km
10km/h
(6分/km)
10km/h
(6分/km)
10.2km/h
(5分52秒/km)
0.4km

上の表は

同じペースで斜度0%と0.4%を走ったときの実質的な負荷をあらわした表です。

たとえばキロ5分を例に取ると、

平坦路をキロ5で走ると、キロ5分の負荷になります。

これはいうまでもなく当たり前の話です。

では、同じキロ5分で斜度0.4%を同じ時間走ったときの負荷の差として

時速は0.2km/h、キロペースなら約5秒、同じ時間走ったときの距離差は400m

つまり1kmあたりキロ5秒速く走っているのと同等の負荷になります。

5秒って大したことがないように思えますが、自分のフルのPBのキロペースから5秒速いペースでフルマラソンを完走すると、約3.5分速いタイムということになります。

PBが出るレースというのはレース運びも上手く運び、実力もしっかり出し切って極限でのPBだとしたら、そこから3.5分速いというのは相当速いということになり、なかなかバカに出来ない負荷量だということがいえます。

アップルマラソンの気温とペース

日最高
気温(℃)
日最低
気温(℃)
MAX25.0 15.5
MIN16.77.5
RANGE8.38.0

過去のアップルマラソンの気温データを見ると、暑いときはだいたい23℃以上です。

最高気温16.7℃の年は雨でした。

なので最高気温のMAXとMINの2パターンで考えます。

【サンプル】前回のレースが10℃

想定タイムを考える上で前回や直近のレースを参考にするとして、

サンプルにするレースを仮に冬のレースで気温は10℃とします。

各サンプルのレースタイムはキロペースで

4分15秒/km

4分57秒/km

6分/km

この10℃の条件下3パターンを25.0℃と16.7℃に置き換えて想定してみます。

10℃条件下におけるサブ3・サブ3.5・サブ4のキロペースを25℃と16.7℃の条件下での気温補正値に換算した表にしました。

10.0℃25.0℃(12%)[Full]16.7℃(3%) [Full]
4分15秒/km4分45秒/km[3:20:24]4分22秒/km[3:04:12]
4分57秒/km5分32秒/km[3:53:27] 5分05秒/km[3:34:26]
5分40秒/km6分20秒/km[4:27:10]5分50秒/km[4:06:07]

実際にはこれほどまでにはペースを落とす必要があるかどうかはわかりませんが、25℃のレースというのはかなり過酷だというのは経験上わかっているので、安全にゴールまでしっかり出し切って終わるにはこういったペースになるのは仕方ないといえます。

さらに、この表の値にアップルマラソンの斜度を反映させると

折り返しまでの約20kmをさらにキロペース+5秒程度を換算する必要があるといえます。

事前の走力の見極め

この記事の想定としては、自分の走力の見極めを直近のフルマラソンのレースに設定しているという前提です。

ペース設定において、その基準となるタイムを全体を通して10℃の環境下でのものを想定していましたが、出場予定レースにもっと近い環境でなおかつ、より直近の走力を測定するには

出場予定レースに近い気温環境でのタイムトライアルによるVDOTを行なうのが、よりレースに役に立つVDOTを出すことが出来ます。

詳しくは別記事にするか、後日追記とします。

大切なのはペース設定

何がいいたいのかというと、気温と傾斜を考慮しないままの状態で自分の目標とするレースペースで走ってしまうと、知らないままに相対的にオーバーペースで走らされることになってしまいます。

10℃の環境で4分15秒/kmでサブスリーペースで走れる人にとっても

25℃の環境で0.4%の傾斜があるレース環境になると

約4分50秒程度に相当する負荷がかかっていることになります。

それだけの負荷がかかっている状態で、冬のレースと同じ感覚でのペースで走っていると、つぶれてしまい失速してしまう可能性が非常に高くなってしまうといえます。

実際のところ、上記の表ほどまでにペースを落とさなくても完走することは可能だとは思いますが、非常に過酷なレースとなると思うので

可能であれば、事前に熱順応化する準備をしておく必要があります。

また、上記の表ほどまでにペースを落とさずとも、夏秋のフルマラソンを走れてしまうという背景には、練習の段階において夏の暑さに順応しているという可能性も考えられます。

とはいえ、高い気温下におけるレースでは、自分の出している速度以上の消耗を強いられているのは間違いないので、気温に応じてレースペースを調整する必要があります。

そして、ペースを上げるのであれば、序盤よりも終盤にペースを上げる作戦をとった方が、レースそのものの出来が向上すると思われます。

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