マラソンのLSD走など走り込みのLTやタイムへの効果と必要性

マラソンのLSD走など走り込みのLTやタイムへの効果と必要性

こんにちは。

今回は、

マラソンのLSD走など走り込みのLTやタイムへの効果と必要性

というテーマです。

LSDやジョグなどの有酸素運動はマラソンのパフォーマンスにおいて必要なのはわかる。

だけど仕事をしながらの市民ランナーでそこまでは時間をとることができない。

今回の記事は

  • 低強度トレーニングやLSD走などの効果について知りたい
  • 時間があるときは低強度トレーニングを入れたほうがいいのか
  • 低強度トレーニングとLTやタイムと走力の関係性が気になる

こういった人にとってお役に立てるのではないかと思います。

時間がない人のトレーニング強度への考え方

ぼくもそうですが、あまり時間を割くことのできないランナーはスピード練習につかう時間を減らしてまでLSDやジョグなどの走り込みをするなら、インターバルトレーニングなどのスピード練習に費やすことで、フルマラソンにおいてはある程度はスピードが伸びることによる結果がでると考えています。

もちろん走り込みもトレーニングとして重要ですが、ここでは限られたトレーニング時間での優先順位という話として考えていただけるとありがたいです。

一定の距離のレースを速く走るという目的があって、その目標に対して十分なトレーニング時間を確保することができない場合での話であると仮定します。

このとき、この1時間しかトレーニングに費やすことができない場合、1時間の心拍トレーニングと1時間のジョグ、どちらがマラソンを速く走る能力に直結するかというと短期的な目線では前者ではないかと考えています。

繰り返しになりくどくなりますが、もちろん長期的にみると、有酸素トレーニングの有効性は十分理解しています。

ただ時間がない場合はスピード練習や心拍トレーニングを行なうという話です。

これについては、

短時間 効率的サイクリング・トレーニング: 少ない練習量でパフォーマンスを最大化するためのヒント

ジェスパー・ボンド・メデュス   著 髙 嶋 竜 太郎   訳

こちらの本での記述としても以前に紹介したことがあると思います。

「インターバル・トレーニングとレース以外 は何もしない」という究極に時間効率のよい トレーニング計画というのは、あまりにも極端過ぎます。「 80:20の法則」を用いたより 現実的なアプローチ方法としては、パフォーマンスに影響が少ない80%の部分を取り除く という方法 があります。簡単にいえば、 パフォーマンス向上に役立たないトレーニングに 費やす時間 は、削った方がよいということです。

短時間 効率的サイクリング・トレーニング: 少ない練習量でパフォーマンスを最大化するためのヒント

この本は、本来サイクリストに向けて書かれている本ではありますが、限られた時間で効率よくトレーニング効果をあげるためには、という名目において書かれている本で、ぼくもそうですが物理的にあまりランニングに時間を割くことのできないランナーにとってとても良い指針となる本で、この本に書かれている考え方やメニューの決め方は今でも非常に参考にさせていただいています。

で、実際にこの本の考えを参考にしてトレーニングを組み立てていると、少ない練習時間でも一定の効果を本当にあげることができます。

では高強度トレーニングだけでいいのか

実際にレースにおいても、ある程度の目標は達成できたわけですが、実はこのときのレースにおいて、ぼくは途中33km地点あたりで脚を痙攣しています。

結果的にタイムとしては3時間を切ることができたわけですが、33kmで脚を痙攣してしまったことによって、タイムロスとペースダウンが発生してしまいました。

このタイムロスとペースダウンについては、自分の実力不足ですが、痙攣したという事実だけを拾ってみると、筋持久力や低強度の有酸素運動にアプローチしたトレーニングに時間を割いているランナーはどういった結果がでるのか。

ジョグやLSDによる有酸素トレーニングや筋持久力へのアプローチの有無は、ランナーの走力にどのように影響するのだろうかという部分について、非常に興味があると考えました。

走り込みの走力への影響とは

そこで、今回はLSDトレーニングによる走り込みの効果について調査した実験を探してみました。

引用元

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspeconf/49/0/49_306/_pdf/-char/ja

被験者は

【Elite Runner】群
LSDトレーニングを2~3年行なった大学長距離選手4名
5000mの平均タイムは14分03秒
4~11月までの総走行距離は6258km

【Runner】群
LSDトレーニングを行なったことがない新入生4名
5000mの 平均タイムは14分49秒
4~11月までの総走行距離は5101km

の2群でLTテストを行ないました。

走行距離については【Elite Runner】群のほうがより基本的なLSDトレーニングが十分実施されていたため多く走れたと思われるとのこと。

800mを1セットとして、セットごとに2~5秒ずつタイムを短縮させながら11~12セット行い、設定タイムに追従できなくなったと判断された時点でテストを中止しました。

LTの測定はセット終了後に指先からの採血から乳酸の分析を行ないました。

LT2点法による2点のLTポイント(LT-1、LT-2)を算出しました。

LT2点法とは、安静時レベルより急に上昇し始める点をLT-1とし、その後再度急激に上昇し始める点をLT-2として分析したものということです。

結果として、LT-1・LT-2の両ポイントともに、【Elite Runner】群のほうが速いタイムで走る結果となり、LT-2においては走行タイムだけではなく、乳酸濃度においても4mmol の値の分、LT-2の発現に差が出ることになりました。

下記に両郡の結果を表にしました。

LT-1タイムLT-1乳酸LT-2タイムLT-2乳酸
Elite Runner77.02.667.47.4
Runner80.12.274.73.7

LT-1とLT-2の各ポイントを迎えたときの走行タイムと乳酸の表で、両LTポイントにおいても【Elite Runner】群のほうがタイムが速いのもそうですが、LT-1とLT-2の両方の乳酸が急激に上昇をみせるポイントの乳酸の値に注目すると、さらに違いがあることがわかります。

LT-1乳酸LT-2乳酸
Elite Runner2.67.4
Runner2.23.7

【Runner】群のLT-1とLT-2の乳酸濃度は2.2と3.7で、

これは

乳酸濃度2mmolのLTポイントと

乳酸濃度4mmolのOBLAポイント

に類似した値となっていて、実際に同じようなところから乳酸濃度が急激に上昇しています。

一方で、【Elite Runner】群では2.6と7.4でLT-1も高い値なのですが、LT-2が7.4と一般的にOBLAとされている4mmolよりも3.4mmolも乳酸濃度が高くなっています。

これはLT-1から、2段階目の乳酸の急激に上昇し始めるポイントであるLT-2までの間に通常のLSDトレーニングなどで走り込みがされていないランナーと比べて、約4mmol分もの乳酸濃度の分だけ余力があり、より高い運動負荷に耐えることができるということでもあります。

実験の考察では、こういった結果から高いパフォーマンスをもつ選手のOBLAについては再考する必要があると推測されると記述されていて、

従 来の LTやOBLAは、今回 の 被検者の よ うなや や低 レ ベ ル の 選手 に は あて は ま るが 、 EliteRunnerの よ うな高 レ ベ ル の 選 手で は LTは一致 する が 、OBLAは 一致 しな い こ と が 明 らか とな っ た。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspeconf/49/0/49_306/_pdf/-char/ja

というようにまとめられています。

【Elite Runner】群では、LSDトレーニングとして、LT-1付近の総トレーニングを長期実施していたことが、競技力の向上に影響した物とおもわれるとされていて、ではLT-1とはどのくらいの強度かというと、両ランナー群においてLT-1と従来のLT(乳酸濃度2mmol)と一致するとしているので、測定環境のない一般的な市民ランナーにおいては従来のLTの推測から算出する必要があります。

LT値の算出方法はさまざまな計算方法がありますが

[最大心拍数−安静時心拍数]× 0.75+安静時心拍数

この式でぼくのLTを計算してみると

{(220-38)-48}×0.75+48=148.5

となり、このくらいの強度で長期長時間トレーニングを行なってLTを底上げすると、OBLAが向上するかも…しれません。

余談ですがダニエルズ式ではLTをTペースでとしていますが、おそらくダニエルズで提唱されているLTはOBLAではないかとどこかで記述をような気がします。

LSDトレーニングの心拍数やペースの定義についてもいろいろ理論や人によって異なるとは思いますが、今回のここでの話ではLT強度(LT-1)のあたりの心拍数を狙って積み重ねていくと、結果としてOBLAが上昇する可能性があるという話でした。

LSDトレーニングや低心拍数でのトレーニングは高強度高心拍トレーニングにくらべて、効果を実感できるまでに長期長時間を要するということが、今回のLSDを2~3年積み重ねてきた【Elite Runner】群と新入生の【Runner】群の比較のほかにも、さまざまなことから分かっています。

市民ランナーはどう時間を使うか

これらの結果を踏まえて、では時間に制限のある市民ランナーはどうするかというと、これについては持ち時間と相談してということになるのではないかと思います。

冒頭でも述べましたが、今日は1時間しかトレーニングに費やすことができない、あるいはもっと短いなどというときは、スピード練習を選択するとか、または今日は3時間使えるからLSDトレーニングにしようなど、そのとき使える時間に応じたトレーニングのチョイスを上手にすることができれば、有意義なトレーニングになるのではないかと思います。

つまり、ぼくもたまにはゆっくりロングジョグとかやりたいなと思いました。

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