こんにちは。
今回は、
『読みたいことを、書けばいい。人生が変わるシンプルな文章術』書評 【読書記録】
というテーマです。
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読みたいことを、書けばいい。 人生が変わるシンプルな文章術
田中泰延
ダイヤモンド社
読みたいことを書くとおもしろい文章になるという主張

まずこの本がどんな本なのかについてです。
1番のわかりやすい特徴というと、文章術の本としてはめずらしく、文章の書き方についてあまり触れられていないという点が挙げられます。
めずらしくというかほとんどそんな本はないかもしれない。
そのかわり、
文章を書く上での考え方
書くための情報のリサーチ
どのように書くのかよりも、どのような文章を書くのか
に重きをおいて著者の田中泰延さんの経験や考えに基づいて書かれています。
主題としては、本のタイトル通りに自分が読みたいことを書くということに一貫しています。
これは、田中泰延さんの中学生の頃の強烈な体験からくるもので、
自分が読みたいことを書けば、自分が楽しい
だから自分が書きたいこと
つまり自分が読みたいことを書く
ゆえに文書術といわれるテクニックは必要ないというのが田中泰延さんの考えです。
これは冒頭でさらっと触れられてある料理についても同じことが言えます。
自分が食べたいものを作れば、自分が幸せ
自分がすきなメニューを好きな味付けで作って食べる。
こういった著者の考えによる原理に基づいて本書は展開されていきます。
文章術としてのテクニックはない

冒頭で文章術の本だけど文章の書き方ついてはあまり書かれていないと述べました。
これついて田中泰延さんの考えとして、書くことにテクニックは必要ないと述べています。
どういうことかというと、テクニックの習得によって得られるといわれる、効果・効能・利益・収入は得られないといった旨の内容が自虐交じりに語られらています。
これは本当にその通りで、僕も何冊ダイエットの本を買って読んだか分かりません。
痩せる痩せないだけの話ではなくて、ノウハウやテクニックを知ったり得たりするだけでは
効果がないことが大半で、そこの本質的な部分を突いています。
もちろんテクニック論を否定するものではなく、テクニックが役に立つ場面は文章を書く上でもそれ以外の場面でも必ず存在します。
ではなんなのかというと、この場合で著者が大事にしていることは、自分が幸せかどうかで楽しいかどうかということです。
そのためには「自分が読みたいものを書く」ことで「自分が楽しくなる」。
自分がおもしろくない文章は他人が読んでおもしろいわけがない。という理屈です。
著者 田中泰延さんの書くということ
実際に文章のすすめ方として、田中泰延さんがおもしろいと思う文章はこうなのだろうという、冗談と回り道だらけで展開する文章は、柔らかい文章の中にも説得力をもって文章を書くことについて述べられていると思います。
どう書くかという点においては一次情報にあたることの重要さ、つまり調べることありきということについて書かれています。
逆にいうと好きなことを書いていても一次情報に立脚していれば評価されるという事例も著者のコラムを例に紹介されています。
最後まで読んでみて、著者の考え方と冗談をふんだんに交えた、書くということに対する考え方は、他の文章術や話術とはひと味もふた味も違う考え方で、まさに著者が今まで影響を受けてきた本や、著者がおもしろいと思う文章そのものだと感じました。
サラリーマン時代は広告代理店でコピーライターとして活躍していたからなのか、著者の読んできた文章や経験によるものなのか、言葉のチョイスの幅や文章の使い方がとても斬新なものでした。
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